ウエディングケーキ入刀って絶対しないと駄目なのかなあ?
なんだかありきたりでつまらないし、料理コースのデザートがあるからケーキは要らないんじゃないかな。
それに、みんなに注目されるのも恥ずかしいしね。
時々そんなご相談があります。
確かに、ケーキ入刀って、みんながする定番演出ですし、あたりまえすぎてつまらない!って思うかもしれないですね・・・
でも、結婚式のケーキは新郎新婦の幸せを祈る、昔からのしきたりなんです。
結婚式にケーキを用意する理由
ウエディングケーキの発祥にはいくつか説があるのですが、チャールズ2世の時代(1650年頃)に、フランスのケーキ職人が、小さなケーキを積み重ねてアイシングをかけ、現在のクロカンブッシュのようにすることを思いついたと言われています。
欧米ウエディングの定番の3段ケーキは、ビクトリア朝時代の英国ロンドンで、ケーキ職人が自分の娘の結婚式のために、セントブライズ教会の尖塔のようにケーキを積み上げたのが始まりといわれています。
未婚の女性が、新婦の指輪の中をとおしたウエディングケーキのかけらを持ち帰って枕の下に置いて眠ると、将来の夫の夢を見ると言われていたそうですよ!
日本の披露宴では、新郎新婦の『夫婦としての初めての共同作業』としてケーキ入刀をするというのが以前からの定番演出ですが、ウエディングケーキは、実は、欧米で、はるか昔から結婚式には無くてはならないものとして伝えられてきたものなのです。
どうして「無くてはならないもの」なのか・・・それは、ウエディングケーキには、意味があるからなのです。
ウエディングケーキは幸せを分かちあうためのもの
結婚式で大切なこと・・・それは「幸せを分かち合う」こと。
新郎新婦の幸せをゲストに分けてあげること、そして、たくさんの祝福を人々が分け合うこと。
欧米の伝統では、3段ケーキの一番下の段はパーティーに集まったゲストが分けて食べ、真ん中の段は出席できなかった人たちに配ります。
(一番上の段は、取っておいて1年後の結婚記念日または最初の子どもの洗礼のお祝いに食べるのがしきたりだそうですが、さすがに最近はあまりそれはしないとか・・)
この、「皆で分ける」「できるだけたくさんの人に幸せを配る」「皆で幸せになる」ということがとても大切なことなのですね!
ケーキだったり、焼き菓子だったり、お餅だったり、分けるものは様々ですが、同じような習慣は、国や宗教を問わず、世界中でみられます。
ウエディングケーキは子どもに恵まれるおまじない
ウエディングケーキは、子孫繁栄の象徴です。
麦に水をかけると緑の芽が出て、数え切れないほどたくさん実るのは、昔の人にとってとても不思議で、麦の中に生命力が宿っているに違いないと思われていました。その麦でケーキを作り、新婚の二人麦の生命力が乗り移って、子どもがたくさん生まれるようにと願ったのです。
昔々、まだケーキが発明されていなかった時代からこのしきたりはあって、古代ローマ時代には、水と塩で麦の粉を練って焼いたビスケットのようなものを花嫁の頭の上で砕いて、たくさん子どもが生まれるように祈ったと伝えられています。ゲストは、ひとかけらを幸運の印として持ち帰ったそうです。
クロカンブッシュは、今でもフランスでは定番のウエディングケーキで、子孫繁栄を願う祝い菓子です。
「定番を押し付けられている」と受け取るのではなく、たくさんの幸せをみんなで分けて、思いっきり楽しんでみてはいかがでしょう?
海外の花嫁さん達は、伝統は伝統として大切にしながら、ケーキに自分らしさを表現して楽しんでいますよ!